青龍の解説

世界には様々な龍の伝説があります。

道教では、四海を治める『四龍(しりゅう)』が存在すると伝えています。

それは、

●東の青龍(せいりゅう)

●南の赤龍(せきりゅう)

●西の白龍(はくりゅう)

●北の黒龍(こくりゅう)

です。

青龍は、その名前から『青い色』をしていると受け取られがちですが、実際は『緑色の龍』だそうです。

その理由は、古代の日本語には、『青』と『緑』は明確な線引きがなかったからです。

たとえば、「青々とした草原」という表現がありますが、『青』は『緑』を表すことも多かったのです。(ちなみに、「青々とした草原」を英語に翻訳すると「a lush green field」となります。)

また青龍は、『四神(しじん)』のひとりでもあります。

『四神(しじん)』とは、天の4つの方角を司る、

●東の青龍(せいりゅう)

●南の朱雀(すざく)

●西の白虎(びゃっこ)

●北の玄武(げんぶ)

という神獣です。

平安後期の説話集『今昔物語集』には、聖徳太子の魂が『青龍(せいりゅう)』に乗って中国に渡り、『仏教の経典』を取って来たという話があります。

◎ナーガ
インド神話に起源を持つ『蛇神』です。

上半身は、頭頂に5匹の蛇を飾る人間の姿をしており、下半身はコブラの姿をしています。(国によって様々なバージョンがあるようです。)

◎八大竜王(はちだいりゅうおう)
法華経に登場する仏法を守護する竜です。

その多くが、元はインド神話の『ナーガの王(ナーガラージャ)』でした。

天候を操る力を持ち、怒ると日照りが続き、なだめられると雨を降らすと言われています。

◎ドラゴン
西洋のドラゴンは、 東洋の竜とは容相が異なり、恐竜のような姿をしています。

また、東洋の竜は『神獣』として崇められているように、霊的な存在を示唆する伝説が多いのですが、西洋のドラゴン伝説は、巨大生物を思わせるものが多いです。

今から数百万年前、あるいはもっと以前において、スフィンクスやケンタウロスのような『半人半獣型人類』が存在したという説がありますが、ドラゴン伝説は、人類が知性を持った巨大生物と遭遇した時代の話が、神話化したものなのかもしれません。

ちなみに、巨大な海竜が姿を現し、航海する人々の目を驚かしていたという伝説が世界のあちこちにありますが、どうやら、これは実際にあった事件のようです。

その証拠に、2600年前、ギリシャの哲学者『アリストテレス』は、『動物誌』の中で、リビア沖に無数の大海蛇が現れ、軍艦に襲いかかった事件を書き残しています。
(海竜は、大きいものですと、全長40mを超えていたと言われています。)

このように、竜もドラゴンも善悪があり、神の使いとして讃えられているものと、悪の化身として恐れられているものが存在します。
(ヨハネの黙示録に登場するドラゴンは、悪魔の化身とされています。)

竜を描く場合、三本指、四本指、五本指の竜 が存在しますが、五本指の竜は、最高位の竜とされ、中国の皇帝しか使うことが出来なかったそうです。